大っ嫌いにさよならを
一日の授業が終わり、帰る支度も終えた俺はいつものように鉄之助と将に「じゃあ、また明日な」といって教室から出た。
そういや、今日は金曜だったな。やっと休みかぁ。
土日は何をしようか?うーむ、暇だな。
筋トレやって、ジョギングしても一日は潰せないし…。
鉄之助と将を誘って学校でバスケしようと思ってもグランドの方はサッカー部に占領されるだろうし、体育館も無理だ。ゲームばっかりするのも飽きるしな。
「こう思うと、俺ってつまらねぇ男だな。何かに夢中になることもないなんて」
…自分で言うのもむなしいけど、あいつはどうして俺にこだわるのだろう。
靴を履き替えて校舎を出た。少し先に見える校門を見据えて、今日もあいつが来てるんじゃないかと内心、疑いながらのんびり歩く。
昨日は、やっぱり言い過ぎたかな。鉄之助が余計な事をべらべら喋ったのもあって完全に頭に血が上ってしまっていた。
格好いい男なら、優しく、スマートに気持ちを受けとめて、お互いの気分が悪くならないよう大人な対応をとるべきだった。