大っ嫌いにさよならを
これが意外と難しかったりする。なにせずっと上を向いて歩いているので足もとが見えないし、首がとんでもなく疲れる。
住宅地なのでそんなに車が通ったりはしなかったから良かったが、今考えると危ない行為だ。
だけど、その時は見慣れた帰り道が新鮮なものに感じて楽しかった。
端から見たら、変な小学生に見えただろう。ドラ○もんのタ△ムマシンがあったら是非二人の下校姿を見てみたい。
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家の前まで来て、俺は下を向いて首をさすった。やはり首が痛い。
俺は俯いたまま玄関を開けた。そして、俺はドアを開けた状態のまま動けなくなった。
我が家には絶対に存在しない物が存在していたのだ。
女物のローファーだ。何故?英語で言えばwhy?だ。ああ、テンパっているよ。
不意によぎった悪い予感に顔をひきつらせ、すぐさま玄関を上がってリビングに入った。
その予感は予感で終わってはくれず、現実となっていた。
「なんで、お前が居るんだよ」
天津茉莉奈が俺の母親と仲良くお茶をすすっていたのだ。