大っ嫌いにさよならを
 〈 3 〉

「だから言っただろう?早く仲直りして、付き合うのが妥当なんだよ。翔にはあれくらい強引さがある女子が合ってるよ」

 大募集したが、集まったのはシニカル野郎だけだった。

 こいつは確実に俺を面白がっているに違いない!助言を求めた俺が馬鹿だった。

「あー…鉄之助、ズル休みなんてするんじゃねぇよ。お前がいないと誰が将の抑止力になる?」

 月曜日の昼、食堂でカツ丼を食べながら嘆く。隣の将はきつねうどんを黙々と食べていた。

 鉄之助は風邪で休みらしいが、あいつのことだ、どうせズル休みに決まっている。

「おっ!ダブルショウは今日も仲良しだな。お供の鉄之助はどした?」

 とめどないため息をする俺と、ずずず、とうどんをすする将の肩を叩いてきた奴に、俺たちは同時に振り返り、

「…のぶ丸かよ」

と、うんざりした声で同時に言った。

 ちなみに、ダブルショウというのは、俺の‘翔(ショウ)’と将の‘将(ショウ)’を合わせたもので、よく名前の読みを間違えられる俺たちにのぶ丸がつけた名前だ。

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