大っ嫌いにさよならを
*
「わたし、まりな。あんた、かけるっていうんでしょ?」
ひどく偉そうな女子だと、小学一年生だった俺は呆れたし、驚いてもいた。
「…そう、だけど」
まるまるとした頬を、饅頭みたいだなと見ていると、
「まりなって呼んで。わたしもあんたのことかけるって呼ぶから」
と、彼女は少しきつい口調で言いきって、俺から離れていった。
それが、俺とあいつとの出会いだった。
それから六年間、不思議なくらいずっと俺たちは一緒にいるようになっていた。違うクラスになったとしても一緒に連んで遊んで、周りの大人を困らせた事も少なからずあった。
家が近いこともあり、登下校はいつも二人だったし、怒られる時も二人一緒。
あいつは出会った当初から偉そうで、わがままだった。だけど、クラスをまとめるのが上手くて友達が多い。
対して、俺は消極的な性格のせいでみんなの輪に入られずに孤立することが多々あった。
そんな時、必ず俺に声をかけてきたのが茉莉奈だった。
無理やりともとれる誘い方だったが、ぷにぷにした小さな手で俺の手をひいて、押しつけがましくない方法で輪の中に自然と居られるようにしてくれた。
「わたし、まりな。あんた、かけるっていうんでしょ?」
ひどく偉そうな女子だと、小学一年生だった俺は呆れたし、驚いてもいた。
「…そう、だけど」
まるまるとした頬を、饅頭みたいだなと見ていると、
「まりなって呼んで。わたしもあんたのことかけるって呼ぶから」
と、彼女は少しきつい口調で言いきって、俺から離れていった。
それが、俺とあいつとの出会いだった。
それから六年間、不思議なくらいずっと俺たちは一緒にいるようになっていた。違うクラスになったとしても一緒に連んで遊んで、周りの大人を困らせた事も少なからずあった。
家が近いこともあり、登下校はいつも二人だったし、怒られる時も二人一緒。
あいつは出会った当初から偉そうで、わがままだった。だけど、クラスをまとめるのが上手くて友達が多い。
対して、俺は消極的な性格のせいでみんなの輪に入られずに孤立することが多々あった。
そんな時、必ず俺に声をかけてきたのが茉莉奈だった。
無理やりともとれる誘い方だったが、ぷにぷにした小さな手で俺の手をひいて、押しつけがましくない方法で輪の中に自然と居られるようにしてくれた。