大っ嫌いにさよならを
のぶ丸(本名は信也)は一年の時、隣のクラスの奴で、男女別二クラス合同の体育の授業で初めて喋った。それから仲良くなった。
そして、俺と将と鉄之助がバスケ部に入っていると知れば、何故だかこいつも入部してマネージャーをしていた。
菓子食いながら、応援しかしなかったがな。
「もー、二人ともほんとは俺が好きなくせにー!俺に会えて嬉しいだろー?」
猫なで声ののぶ丸を睨み、俺と将はほぼ同じタイミングで席を立っていた。
「おいー、どこ行くんだよー?一緒にご飯食おうぜー」
トレーを持って違う席についたところでのぶ丸もついて来るので、俺と将は否応なく諦めるしかなかった。
「ほんと、図々しい奴」
これまた阿吽の呼吸でそろった声にのぶ丸が「さすが、ダブルショウ!」とカレーを頬張りながら言うのを俺はうんざりして見ていた。
将に関しては完全無視を決め込みはじめた。
鉄之助がいればまだマシなんだけどな。
こいつの相手するのは根気がいる。うざいキャラとすぐ調子に乗る性格をよく理解してツッコミを入れなきゃ、暴走列車となって止まらなくなるのだ。
でも、鉄之助の場合、ただ一緒になって騒いでるのかもしれない。馬が合うということだ。