大っ嫌いにさよならを
後悔にさよなら
 〈 4 〉

「なぁ、どうしちゃったんだよ…あれ」

「知らん。朝、俺が来た時にはあんな感じだったんだからな」

 俺はまるで雲の上にでも乗っているような、ふわふわした気持ちでいると、横から雑音が聞こえてきた。

 それを聞かなかったふりをして、両肘を机につき、その手で頬を包む。目を閉じると…天使が俺に笑いかけた。

「うふ…うふふ…ぐふふ…!」

「うぎゃあぁぁ!?翔ー、翔ー!俺に一日会えないだけで、そんな禁断症状が!?翔ー!俺はここにいるぞぉぉ!!」

 鉄之助と思われる人物が俺に抱きついてきたので、早々に引っ剥がして俺はまた可愛い天使に微笑む。

「うふふ、うふ、うふ…うふふふふ!」

「ダメだこりゃ…これは完全にいかれてる。電化製品なら修理にだしても新品買った方が早いですねって、ガチで言われるパターンだわ」

「うふ、うふうふ…ぐふ、ぐふふ!」

 何とでも言うがいい。俺のこの素晴らしい気分は誰にも邪魔させない。

 俺は足をルンルンさせて、まぶたの裏に浮かぶ天使にキスをする。

「…うふふ」

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