大っ嫌いにさよならを

「やあ、みんなー!おはよーさん…って、何、このお花畑は!?誰だ、こんなお花まいてんのはー?」

 俺は新たに聞こえたその声に目を開けた。教室の扉辺りに立っていたのは、のぶ丸だった。

 俺のすぐ横では俺に引っ剥がされて床に倒れていた鉄之助が将に起こされていた。

 のぶ丸は俺のルンルン気分によってまかれたお花を、シッシッと払って近づいてくる。

 そんなのぶ丸を将は無言で見据えていた。

 俺はのぶ丸がこちらに来る前に立ち上がり、スタスタと歩いて彼の手をかたく握手した。

「のぶ丸、ありがとう。俺、ヒーローになれたんだ!」

 誠心誠意を込めて礼を言う俺に「は?」と思いっきり顔をひきつらせたのぶ丸だったが、次の瞬間には笑顔になり「どういたましてー?」と頷いた。

 そして、さっと握手をほどくと将と鉄之助の所に行ってしまった。

 俺をヒーローに、そして真の男にしてくれた恩人がまさかのぶ丸とは思ったことはなかったが、あいつ、ほんとイイ奴!

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