大っ嫌いにさよならを
*
“ 私、翔が好きなの。付き合って ”
俺は「は?」と聞き返すだけで喉がカラカラに渇いていた。
予想もしてなかったのだ。まさか、あいつからの告白なんて。絶対に有り得ない事だったのだ。
しかも、俺とあいつは言葉を交わすのも目を合わすのでさえ、あの日以来だ。
だから、俺はテンパってしまった。普通ならイエスかノーか、答えるべきだったろう。それでなくとも何故?という理由を聞くだろう。
…そう。俺は何も言わず、逃げたのだ。
こうやって自分の行動を振り返っても、馬鹿な事をしたと悔やむばかりである。
そもそも、あれが本気であったかなんて一目瞭然ではないか。あれは完全に俺をからかっていたんだ。
俺と同じく馬鹿で、勉強よりも遊んでいることが好きだった茉莉奈が、あんな頭の良い学校に行って、俺は変わらず馬鹿のままで。…それを見下しているに決まってる。
そのはず、なんだ。いや、絶対そうだ。俺は茉莉奈が嫌いで、茉莉奈も俺が嫌い。
…ちょっと、可愛くなってたから心が揺らいでいる気もするが、それは勘違いであってほしい。
あの潤んだ瞳に、俺は大きく動揺しているだけなんだ。
“ 私、翔が好きなの。付き合って ”
俺は「は?」と聞き返すだけで喉がカラカラに渇いていた。
予想もしてなかったのだ。まさか、あいつからの告白なんて。絶対に有り得ない事だったのだ。
しかも、俺とあいつは言葉を交わすのも目を合わすのでさえ、あの日以来だ。
だから、俺はテンパってしまった。普通ならイエスかノーか、答えるべきだったろう。それでなくとも何故?という理由を聞くだろう。
…そう。俺は何も言わず、逃げたのだ。
こうやって自分の行動を振り返っても、馬鹿な事をしたと悔やむばかりである。
そもそも、あれが本気であったかなんて一目瞭然ではないか。あれは完全に俺をからかっていたんだ。
俺と同じく馬鹿で、勉強よりも遊んでいることが好きだった茉莉奈が、あんな頭の良い学校に行って、俺は変わらず馬鹿のままで。…それを見下しているに決まってる。
そのはず、なんだ。いや、絶対そうだ。俺は茉莉奈が嫌いで、茉莉奈も俺が嫌い。
…ちょっと、可愛くなってたから心が揺らいでいる気もするが、それは勘違いであってほしい。
あの潤んだ瞳に、俺は大きく動揺しているだけなんだ。