星空と君の手
こうして、やってきたバレンタインデー。
プラネタリウムがある科学館は駅から少し離れているので歩いて向かうけれど、隣を歩く彼の手には触れられない。どうして手をつないでくれないの、なんて聞けるはずもなくて私は伸ばしかけた手を引っ込めてしまうしかなかった。
少し、ほんの少しだけ落ち込んだ私だったけれど、プラネタリウムの投影はとても綺麗で満天の星空に心まで透き通ったような気持ちになった。
ドームに映された綺麗な星空を見ながらチラリと彼の横顔を覗き見ると彼は食い入るようにうつしだされた空を見つめていた。そして私も空に向き直り煌めく星たちを眺める。
ああ、あれはオリオン座であれは何座かな、などと考えていると、椅子の肘掛に置いていた手に、彼が手を重ねてくれたのだ。そしてその重ねて置いた手をとって握り直してくれる。
私は驚いて彼の方をみてしまったけど、彼は未だ星を見続けていたから。
握られた手にこれでもかってくらい力を込めて、何で今まで手を繋いでくれなかったの、と精一杯の抵抗を表してみても、目の前の星空が滲んでしまうほどに私は嬉しかった。
プラネタリウムがある科学館は駅から少し離れているので歩いて向かうけれど、隣を歩く彼の手には触れられない。どうして手をつないでくれないの、なんて聞けるはずもなくて私は伸ばしかけた手を引っ込めてしまうしかなかった。
少し、ほんの少しだけ落ち込んだ私だったけれど、プラネタリウムの投影はとても綺麗で満天の星空に心まで透き通ったような気持ちになった。
ドームに映された綺麗な星空を見ながらチラリと彼の横顔を覗き見ると彼は食い入るようにうつしだされた空を見つめていた。そして私も空に向き直り煌めく星たちを眺める。
ああ、あれはオリオン座であれは何座かな、などと考えていると、椅子の肘掛に置いていた手に、彼が手を重ねてくれたのだ。そしてその重ねて置いた手をとって握り直してくれる。
私は驚いて彼の方をみてしまったけど、彼は未だ星を見続けていたから。
握られた手にこれでもかってくらい力を込めて、何で今まで手を繋いでくれなかったの、と精一杯の抵抗を表してみても、目の前の星空が滲んでしまうほどに私は嬉しかった。