私が思ってた以上に世界は色に包まれていた。
1章
Encouter~出会い~
~月SIDE~
ポツポツポツ…
今日も嫌な雨が降る。
両親が亡くなって、1ヶ月。
あたしの精神は大分安定した。
そして、今。
あたしは近くのカフェで一人、外をボーっと
ただ眺めている。
「…ハァハァッ!ごめんごめん!」
そう言って、あたしの向かい席に座る女性。
この人は、あたしの親戚だ。
両親がまだ生きていた頃の話、
あたしがまだ小さい頃、3回ほど会った記憶がある。
確か…、名前が「鉄 強子」さん。
素晴らしく、強いイメージが持てる名前だ。
確か、公園でブランコ一緒にしてたっけ…。
「あれー?怒ってる?」
強子さんが心配した顔で見つめてくる。
あたしは小さい頃の思い出に浸ってしまったようだ。
「い、いいえ。ちょっと思い出に浸ってしまってて…。」
あたしは、急いで否定をする。
そんなあたしを見て、強子さんは
どこか悲しげな目で、にこっと微笑んだ。