私が思ってた以上に世界は色に包まれていた。


「…ふふっ。まぁ、当たり前か。
お父さんとお母さんも、引越しする前は
この景色見てたんだもんね」



「お父さん…、お母さん…」




もう…ここに、もどってくることもできない。


もう…なにもかもなくなってしまった。



あたしが唯一育った場所。

そして、安心できた場所。



ポタポタと、またあたしの涙がこぼれる。




「…フッ、ヒック、、、」



お父さん…。



お母さん…。




会いたいよ…ー。


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