私が思ってた以上に世界は色に包まれていた。
ブーブー…
ブーブー…
うるさいなぁ…
「…って、あたし寝ちゃってた!?」
携帯を開くと、16件の不在着信が
入っていた。
それは、強子さんからだった。
携帯の時計を見ると
引越しやさんが来て、2時間以上も
経っていた。
ブーブー…
ブーブー…
「強子さんからだ!」
『もしもし?!月ちゃん?』
「あ、はい!ごめんなさい!
ちょっと居眠りしちゃって…」
『…はぁっ。よかった!
なんかあったのかと思って!』
強子さん心配してくれたんだなぁ…。
なんだか悪いことしちゃった。
『今から迎えに行くから!』
「あ、はい!お願いします!」
ピッ…
とうとう、この家ともお別れ…か。
さよなら。
あたしの育った場所…-。