私が思ってた以上に世界は色に包まれていた。
「さぁ、ここよ!あたしが働いてる孤児院!」
強子さんの赤いワゴン車に乗って
1時間半かけてついた場所。
周りは森に囲まれ、洋風の建物が建っていた。
それは、もうお嬢様が住んでそうな場所。
「あ、あれ?月ちゃん気にくわない?」
何もリアクションしないあたしに驚いてか
あたしの顔を覗き込む強子さん。
この人は本当に優しい。
この人に感謝して、恩を返さなきゃ…。
「とても、気に入りました」
「そっかぁ!よかった!」
あたしの笑顔を見て安心したのか
ホッ、と息をつく強子さん。
つい、あたしも、つられて
微笑んでしまった。