君に恋する
始まる

先輩

わたしは高校に入ったら入部したい部活があった。それは『文芸部活動』。名前こそ地味だけれど先輩がいる部活だから入りたいと思った。



「…え?白井先輩来ないんですか?」

「そうよ、薫は幽霊部員だからね。私とあなたの隣にいる子、三人だけでの活動になるかしら」


チャームポイントとしてつけているであろうカチューシャに髪が綺麗に入っているかを鏡で確認しながら神定先輩は教えてくれた。


「がんばりましょうね」

「はい」


白井先輩目的で入部したっていうのに…本末転倒っていうのはこういうことを言ってるのかな。とりあえず入部したんだし、頑張らないとなぁ。


「奏音ちゃんよろしくね」

「よ、よろしく…桜ちゃん」


控えめに自分の名前を奏音ちゃんが言うと特別に聞こえた気がした。

わたしより小さい背はなぜか小動物を思わせるものを感じた。



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