蜜は甘いとは限らない。【完】
「…うん」
「分かった」
結局、ちゃんと話せなかったあたしは葵の部屋を押されてもないのに、背中を無理矢理押されたような気がしながら出た。
「…子供、か」
子供と言われたあの言葉は、嘘だと言われたはずなのになぜか本当の言葉の様に聞こえた。
(…今、考えたって無駄か)
今日は、特別動かない頭を抱えながら自分の部屋に戻った。
ぽふ、と部屋に戻るとベッドに顔を埋める。
寝過ぎたのかな、本当、頭が働いてない。
その事にだんだん苛立ってきたあたしは自分の髪をボサボサに掻き乱した。
あぁ、もう…!!
なんだってこんなにイライラするのよ!!
葵と話した後に、こんなにイライラするのは初めてで戸惑う。