蜜は甘いとは限らない。【完】
「す、すいません姐さん。
お嬢がどうしてもと…」
「……はぁ…」
あたしがキッチンに入って見たのは佑樹くん。
と、里愛さん。
「あ、舞弥ちゃーん!
丁度良かった、手伝って?」
「嫌です。
ていうか、退いてください」
「えー?!
嫌よ、ここまで作ったのに!!」
「これはご飯じゃありません!
殺人道具です!!」
あたしが現れたことに助かった、というような顔をした佑樹くんの顔のわけは、里愛さんの料理だ。
何を入れたのか分からない緑色のスープ(味噌汁?)。
イナゴの入った野菜炒め。
「何言ってるの!
ちゃんと食べれる物しか入れてないわ!」
「じゃあなんでイナゴなんて入れたんですか!」
「それも食用のイナゴよ!
体にいいから!」
「じゃあこのスープ?味噌汁?は、なんですか?!」
「抹茶を入れたのよ!
抹茶は体にいいでしょ?!」
……この人は今までなにを食べて生きてきたの?