蜜は甘いとは限らない。【完】




エプロンを付けるあたしの後ろで佑樹くんがパタパタとスリッパの音を鳴らす。




……佑樹くんって、家庭的な男の子だな。





慌ただしくエプロンを素早く付ける様子を見て思う。

まず、エプロンが似合いすぎてびっくり。




「今日は何作るんですか?姐さん」

「…そうね、」




ボーッとその様子を見ていたあたしの顔を背の高い佑樹くんが覗きこんで聞く。



うーん。
何も考えずにここに来たからなー。




適当に、あるもので作ろうか。





「ちょっと待ってね」

「はい!」



そう一言佑樹くんに声をかけて、馬鹿でかい冷蔵庫を開ける。





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