蜜は甘いとは限らない。【完】
拓哉side
「…ふ、ぁ…」
差し込んだ舌で口内を刺激すればするほど漏れる甘い声。
それに酔いしれたかのように止まらない自分。
…ダメだ、止まれ。
自分では分かってるのに、理性なんて言葉は存在しないかのよう。
「ん……っ」
「…はぁ」
だけど、次に聞こえた苦しそうな舞弥の声に、やっと舌の動きを止める。
するっと差し込んでいた舌を抜けば、銀糸が俺らの間に繋がっていた。
「…なんで、抵抗しない…?」
やっと開放された口で荒々しく息を吐き出す舞弥の頬を緩く撫でる。
「…さぁ、なんでだろ」
そんな俺に少しトロンとした目を向けた舞弥に、やっと本心が聞けるのかと期待した。
だけど、返ってきた答えは期待していたものとは遥かに違うものだった。