蜜は甘いとは限らない。【完】
紙をひと通り読み終わったあたしは、気持ちの整理をする。
…ううん。初めから、分かってたことかもしれないけど。
この紙を読み終えてやっと分かった。
「あとは、あたしの行動次第、か」
あたしが兎に角今しなくちゃいけないこと。
それは…
(…葵と、話しなくちゃ)
思い立って直ぐに行動に移さないと落ち着かないあたしは、立ち上がって自分の部屋に向かう。
入った部屋のベッドの上に転がっている、渡されていた白のケータイを手に取って、連絡先のところから葵の名前を探す。
入っている数の少ないそれからは、簡単に見つけることができた。
「…葵、」
相手に繋がっていることを知らせる無機質な通話音に、なぜか急かされる自分の中の気持ちを抑えてケータイを耳に当てる。
プツ、
『……姉貴?』
「葵!!」