蜜は甘いとは限らない。【完】



なんて思いながらも何とか作り終えたご飯に笑みが溢れる。



...これだけ作れば、十分足りるでしょう。
いつもより多めに作ったし。




「おい、お前ら!飯が出来たってよ!!」

「「「うおおおおおおおお!!!」」」





ふぅ、と自分の中では満足したあたしが捲くっていたカッターシャツの袖を下ろす。

それを見た寺島が大声を出すと共に聞こえた雄叫びと、それに負けないような足音に耳を塞ぐ。




...どれだけお腹空かせてるのよ。

まるで肉に餓えたハイエナね。



笑顔のまま出来上がったご飯を運んでいく男たちに、まぁいっかなんて思っているあたしはなんだかんだ作ることが嫌いじゃないんだと思う。





「ありがとうございます!姐さん!!」

「分かったから。
残したらシバくから」

「残しません!!」




...本当、このときだけは癒されるんだよなぁ。
皆、あたしのご飯なんかで嬉しそうにするから。



あたしのご飯なんて、どんなに頑張っても普通の味だろうに。



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