蜜は甘いとは限らない。【完】

拓哉side




「...止めてくれる、気持ちが悪いから」

「あたしはアンタが大っ嫌いだと言ったはずだけど?」




ナルシストって訳じゃないけど、いつも女には困らなかった俺は、今すごく、


気になる女が居る。




会うたびに俺を睨み付けるあの目に、いつか映ってみたいと思う。

俺の悪口しか出てこないあの愛らしい唇に、触れてみたいと思う。




...世間的にはこれを恋だというのだろう。

だけど所詮、俺らの住む世界は違っている。




俺はこの気持ちを、伝える気はない。



...理性が絶えればの話だが。




たまに見せる、あの少し幼い笑顔を、自分のモノにしたい。




...そもそも、こんなに世界の違うあいつと出逢った理由は、全くあいつには関係のない出来事からだった。



< 24 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop