蜜は甘いとは限らない。【完】
蜜甘
舞弥side
「拓哉ぁー!!!」
バンッ
「…んだよ、今仕事中」
「エロ本読んでるのが仕事か!
没収するわよ?!」
「悪かった、謝るから捨てるのは止めろ!」
「じゃああんたもちょっとは手伝いなさいよ!」
「…だって俺の顔見たらアイツ、泣くんだぞ?」
「あんたが気持ち悪い顔で笑うからでしょ?!」
「気持ち悪いってなんだよ!」
ゼーゼー、こんなに毎日毎日怒鳴り続けてたら体がもたない。
今日はせっかくの休みの日なのに。
あの日、あたしが海外から帰ってきた後、あたしは直ぐに市役所に連れて行かれた。
なぜかって、結婚目前の恋人が市役所に行く理由は決まってる。
…婚姻届を書くため。