蜜は甘いとは限らない。【完】
あたしはその日は疲れてたからやめようと言ったんだけど、あの馬鹿は聞かなくて仕方なしに婚姻届に名前を書いた。
そしてそのままスピード結婚なるものをした。
自分でも思う、早すぎる。
そりゃ、待たせたのはあたしかもしれない。
だけど物事には順序というものがあるでしょうよ!!
あと婚姻届も出す前に、あたしは隆哉さんになんの報告もしてなかった。
さすがにそれはダメだと思い急いで言いに行けば、
「あ、やっとかよ。遅かったのな」
…と言われた。
親が親なら子も子だ。
嵐川さんは今、実はずっと好きだったらしい女の人と暮らしている。
…あたしに全てを押し付けて、早くその女の人に会いたかったらしい。
なんでこう、周りの人達は普通のとはかけ離れた行動しか取らないのだろう。
あ、葵は国公立の大学に簡単に受かった。
出席日数のやばかった高校は少し難しかったらしいけど、テストの点が良かったから卒業。