蜜は甘いとは限らない。【完】
…まぁ、多少は稀浬が手を回していてくれたみたいだけど。
今は高校の間に出来たらしい彼女と幸せそうにしている。
喧嘩もすっかり、なくなった。
…そして初めに戻るけど、あたしたちが喧嘩をしていた理由、それは。
「あんた瑞輝の父親でしょ?!
少しは抱っこくらいしてあげてよ!」
「俺下手くそなんだよ!
てか抱っこの仕方なんて知らねぇよ!」
「あんなもの慣れでしょ?!
もう瑞輝が生まれて五ヶ月経つんだけど!」
…あたしたちの間に生まれた、子供のことでだ。
こんなことで喧嘩してるのは可笑しい?
ううん、可笑しくない。
だって、
「俺には赤ん坊の世話なんて無理だ!」
「馬鹿か!」
拓哉が、あまり世話をしないから。