蜜は甘いとは限らない。【完】




女の言うことに最後まで文句を言っていた男は、懲りないのか。
結局また下の奴と問題を起こした。



それを聞きつけた女はもちろんその場にも来るわけで...。





「はぁ、あんた本当。馬鹿なの?」

「うっ」

「あんた自分から向こうにの人達にお世話になりますって言いに行ってるもんよ。
分かってる?」

「...はい」




外なのにも関わらず男を正座させ怒る女を見た俺は、少し男に同情した。


でも、これで男は家で預かることになった。


まぁ、普通ではありえない事だが。




「...それじゃあ、お願いしますね」

「...わかりました。
また明日、このことのご報告に伺いたいのですが、ここに来てくれませんか?」

「いいですよ」




シュンとした男の頭を少し寂しそうに撫でるこの女は、やっぱり頷いたことを後悔しているのだろう。



だけど口約束とはいえ、約束したのには変わらない。



...そして俺は、前に考えたことを明日、実行することを決めた。


頷いたことに安心し、男を車に乗せる。




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