蜜は甘いとは限らない。【完】




少し不貞腐れながらも言う。





...そういえば、




「葵は?」

「あれ?
さっきまでそこら辺にいたのに...」





葵本人が居ないと見渡してみれば、あたしと同じようにキョロキョロと葵を探す稀浬に腹が立った。


え、殴ってもいいわよね?





「...探すわよ」

「あーい」




結局見渡しても見つからない葵を各自、歩いて探すことに。

見渡すのを止めて歩き始めると、そんなあたしの後ろになぜか稀浬がついてくる。





「...なんでついてくるの」

「えー?
一緒に探したほうがいいんじゃないの?」

「別行動...」

「あ、その手があったかー」




聞いたあたしにキョトンという言葉がピッタリな顔をしたと思えば、次にはにへらとだらしない顔で笑う。



こいつ...




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