蜜は甘いとは限らない。【完】
「別に、いいわよ。
希はあたしより仕事が出来るから先輩に気に入られてるし、仕事多いんじゃないの?
そっちに行っていいわよ」
「…本当にいいのか?
確かに仕事は多いけど…。
無理だけはするなよ?」
「分かってる」
今だに心配そうな顔をあたしに向ける希に、もう失敗しない。
と笑顔を見せると安心したのか、自分の仕事に戻っていった。
…さて、あたしもこれ早く終わらせよう。
あの人、うるさいし。
真っ白な紙をまとめ、また新しくコピー機にセットし直す。
「よし、」
今度はちゃんと失敗せずにコピー出来た紙を束ねて、部署に戻る。