蜜は甘いとは限らない。【完】
しかも自分の好物をちゃっかり出してきてるし。
まぁ、メニュー決まってなかったからいいんだけど。
「はいはい、いいからさっさと仕事戻りなさいよ」
「るせぇ。
飯まずく作ったら食わねぇからな」
「って、まずいって言いながら毎回食べるくせに?」
「...仕事行ってくる」
よし、勝った。
どうやら仕事に行きたくなかったらしい寺島は、最後まであたしに突っかかってきた。
最早小学生にしか見えない。
「...ミンチあったかな」
仕事に戻る寺島の背中を最後まで見ていたあたしは、冷蔵庫の中身を思い出しながらキッチンに向かう。
...あれ、玉ねぎが無かったような...。
ま、いっか。
その時は葵に買いに行かせば。
鼻歌を歌いながらたどり着いたキッチンにある冷蔵庫を開ける。
あ、玉ねぎあった。
今日のメニュー、は。
ハンバーグと春雨サラダに...
元々は料理をするのが好きらしいあたしは、考えているうちに沢山の料理を作っていた。
...作りすぎ、てはないはず。
ここ男ばっかだし、うん。
自己解決して廊下に出る。