蜜は甘いとは限らない。【完】
「…少し、頭を冷やせ」
「...そんなに熱くなってませんよ、俺は」
「...じゃあ、俺の方が頭冷やすかな」
何も話さなくなった俺はじっと舞弥を見る。
そんな俺の頭を力強く撫でた郷下先輩も、俺と同じような気持ちになってるのだろうか。
静かに閉められたドアに一度目をやってから、また舞弥に戻した。
「...頼むから、誰か、」
スルっと撫でた舞弥の頬はすごく柔らかくて、何度も撫でる。
つぅ――――...
そんな頬を静かに舞弥の涙が伝う。
「舞弥...」
そっと涙を拭うために一度離していた手を頬に戻す。
バタバタバタ......バンッ
「舞弥!!!」
「姉貴!!!!」
......?