蜜は甘いとは限らない。【完】
え、こいつ女は姉貴以外ダメです。
みたいな顔して全然いけるタイプ?
まさかの?
「そう、ありがとう」
「い、いえっ」
あまりちゃんとした情報は手に入らなかったらしい葵が女に手を振る。
「...ちょっと、あんたも情報集めなよ」
「...分かってる」
「あ、あの、」
「「?」」
余裕な態度で俺を鼻で笑ったこいつにだんだん腹が立ってきた。
きっとそれが顔にも出ていたであろう俺の顔を見て、怯えながらもここの社員らしい女が話しかけてきた。
「あ、あのさっきの話が少し聞こえたんですけど...」
「さっきの...?
瀬崎舞弥のこと?」
「はい、そうです。
お知り合いですか?」
来た、舞弥のことを知ってる奴。
気のせいか葵の目もぎらついている気がする。
「瀬崎葵。
こいつは舞弥の弟だ。それで、あいつはどこ「ごめんね、この人馬鹿で。
俺が弟で、この人はまぁ保護者のようなものなんだけど。
本当に知ってるの?」
こ、いつ!!
これみよがしに俺を踏みにじりやがって!!