蜜は甘いとは限らない。【完】
こいつら、似てやがる。
思わず出た自分の手を引っ込めて聞く。
それに同じような返事を返してきたこいつらを睨む。
可笑しい、俺がこの中で一番年上なのに。
「それじゃあ、話するから一回ここ出てよ“寺島”」
「てめぇ“さん”付けろ」
「はいはい、寺島“さん”」
「...チッ」
取って付けたように呼ばれた“寺島さん”という言葉に腹が立つ。
...俺が落ち着かせたのに。
知らない間に立場が変わってることに一番苛立つ。
バンッ
スライド式のドアを思い切り閉めると、反動でまた開いたから、イライラしながらもゆっくり閉めた。
...格好つかねぇ、くそっ