蜜は甘いとは限らない。【完】
希side
「舞弥!!!」
「姉貴!!!!」
勢い良く開いたドアに目をやれば、知らない男2人が駆け込んできた。
2人とも顔立ちが良い。
1人は黒のスーツを着ている。
もう1人は自分の母校の制服を着ている。
...きっとこれが舞弥の弟。
確か俺等の母校に入ったのだと、嬉しそうに言っていたのを思い出す。
「...お前、こいつに何をした?」
「...え?」
「何をしたかって聞いてんだよ!!」
ぼぅっと舞弥の弟を見ていると、いきなりスーツを着た男に胸ぐらを掴まれた。
痛い。
首を締められだんだんと苦しくなり、頭に血が上っていく。
...この男は、舞弥のなんなのだろうか。
苦しい中、俺はそんなことを考えた。