蜜は甘いとは限らない。【完】
……これでまた、暫くは動けるかな。
きっとあの人も、今年で諦めてくれる気がするから。
今年さえ頑張れば、大丈夫。
パチンと頬を叩いて気合いを入れ、少し熱めのお湯で顔を洗う。
「…ちょっと寒いけど、いっか」
シャワーだけを浴びて上がったあたしは冷蔵庫を開け、水を取り出し喉に流す。
喉に流しながらチラリ横目で窓を見ると、空が少し白みを帯びてていた。
ほんの少しの時間でも、寝れるかな。
窓から視線を外したあたしはベッドに潜って目を瞑った。
……_____朝。
仕事に言ったあたしは仕事場の皆に頭を下げた。
それから、有給を取った。
こうしないと、また倒れて皆に迷惑をかけるかもしれないから。