惚れてます、完全に。[短編]
「着いた~っ!遊園地だあ♡」
園内に入るなり、夏実がとびきりの笑顔で、明るい声をあげた。
どこからか流れる軽快な音楽。
子供たちのはしゃぐ声。
乗り物を楽しむ人達の歓声…。
賑やかだ。
遊園地は久しぶりで、夏実ほどではないけど、俺もわくわくした気分になってくる。
「まずはー、やっぱジェットコースターかなっ?」
「だなっ。」
夏実も俺も、絶叫系は大歓迎。
一番大きな坂を降りる時、写真を撮ってくれるらしいから、絶対両手を上げるっていう約束さえ出来た。
うん、この調子なら…
楽しいデートになりそうだ。
…まあ、出掛ける相手が夏実って時点で…
楽しめるのは、確実だけどな。