惚れてます、完全に。[短編]
ジェットコースターから始まり、夏実は次から次へと乗り物を指名し、俺はそれに付き合った。
途中にアイスを食べながらの休憩を挟んだものの、夏実は終始はしゃぎまくっていた。
コーヒーカップでは、好き放題グルグルと回すもんだから、降りた後もしばらくは世界が回っていた。
…多分あと一分乗ってる時間長かったら、俺はギブしてたと思う。
お化け屋敷では、始めから俺の腕にしがみつき、仕掛けがあるたんびにオーバーリアクション。
…嫌じゃなかったけどさ。
ミラーハウスでは、勝手に迷子になり。
空中ブランコでは、小さい子みたいな歓声を沢山あげて周囲に苦笑され。
とにかくハイテンションの夏実だった。
どこにそんな気力と体力があるんだ、という感じだ。
何があっても、ケロッと生き残りそうな…
…でも俺は、そんな夏実の隣にいるのが。
夏実を見守って、テンションは合わせずとも一緒に楽しむことが…
…俺は、すごく幸せだった。
まあ、メリーゴーランドに乗るのだけは、却下したけどな。