惚れてます、完全に。[短編]



『流ちゃん…私、流ちゃんに、なにかしちゃったかなあ?』



頼りなげな、愛しい声。



控えめに俺のシャツを掴む白い手は、震えていた。



『…流ちゃん、中学生になってから、私のこと避けてる…。』



『…それはっ…。』



『大事な幼なじみなのにっ…このまま離れるの、嫌だよ~…。』



…夏実の奴、泣いてる?



好きな奴を、俺は泣かせてるのか…。



それを痛感した瞬間、俺の中で何かが動いた。


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