♪〜誰を選ぶ?〜♪
My chance !
「おはようございまーす。」
とある夏休みの日曜日。いつも通りにバイト先に出勤する。
「あら、和架ちゃん。今日もよろしくね。」
はーい、と返事をし、制服に着替えをしにロッカーへ。
私は、佐伯和架、18歳。高校3年、高校卒業後はバイト先である『カフェ ミュージック』で働くことになっている。
カランカラン……
え、まだ開店時間じゃないんだけど……。と思っていると。
「高峯さん、お久しぶりです。」
「あら、カナちゃんにガクくんにルオンくん。3人揃ってなんていつぶり?」
高峯さんはここのカフェの女主人。50代半ばだと思うが、旦那さんは数年前に他界したらしい。知り合いでも来たのかな。挨拶が聞こえてからしばらくすると。
「和架ちゃん!こっちへいらっしゃい!」
はーい、とロッカールームから出ると。
「和架ちゃんはMusic starのファンよね?」
「あ、はい。」
め、目の前にはMusic starの3人がいる……。これは、夢……?
「痛い…。」
自分のほっぺたをつねっても痛みがしっかりある。
「今どき、そんな典型的なことする人いるんだ(笑)」
しっかり流音に笑われたあと、私はこの間のライブの感想を3人に話した。
「しっかり見てくれてたんだね。ありがとう。」
奏斗にそう言われて、嬉しかった。