♪〜誰を選ぶ?〜♪
Challenge
『はい、佐伯さん、もう一度。高音はずさないで。』
「す、すみません!」
……はあ。もう何TAKE目よ。自分の歌唱力の無さに嫌気がさしてくる。
『和架ちん!ほら、笑って?』
「あはは……(汗)」
ほら、曲やプロデューサーの声が聞こえるはずのヘッドホンから楽夜の声が聞こえるのに全く笑えない。奏斗と流音が何かを話している。レコーディングするために奏斗、楽夜と流音はブースの外で順番待ち。ほんっとうに申し訳ない。
『和架、1回休憩しようか。』
その奏斗の一声でスタッフも休憩することになった。一旦、休憩室に戻った私たち。
「和架、大丈夫?」
Music star加入後、私のことを奏斗は『和架』、楽夜は『和架ちん』、流音は『和架ちゃん』と呼ぶようになっていた。
「ごめんなさい。みんな、この後仕事あるよね?」
Music star加入発表もまだだから、私は仕事が新曲のレコーディングのみ。私に比べてもともと多岐に渡って仕事をしている奏斗たちは、このあと3人で雑誌の取材が入ってたと思う。