指を絡ませて
あなたが手を繋ぎたくない理由
デートの終り、いつもと同じようにあたしの家へとたどり着いた。
それがお決まりのパターン。
一ヶ月に二回、会えるか会えないかってくらいだから、大切な時間ともいえる。
ただ、今日は何かが違う。
鍵を開け、家の中に入った瞬間――彼の手が腰に回って引き寄せられた。
食事や空気よりも必要だと言わんばかりに、彼の唇はあたしの唇に重なり、貪るように何度も角度を変える。