指を絡ませて
片手を絡ませ自分の唇にもっていくと、あたしの手の甲に口づけた。
いつもとは違う雰囲気に、あたしの口から自然と言葉が溢れだす。
「どうして、外で手を繋いでくれないの? 誰か……他にいるの?」
あたしを抱き締める彼の腕に、不自然に力が入る。
ああ、どうしてこんなことを聞いちゃったんだろう。
後悔しても、もう無かったことにはできない。
「なんで、そんな風に考えた?」
「……友達が、外で手を繋がないなんて、二股かけてるからじゃないかって」
あたしは、溢れそうになる涙を堪えながら言った。
なのに彼は――。