僕×君日記
中庭には、誰一人居なかった。


ここの日当たりはいいものの、ベンチは錆び付いているし、花壇も全く手入れがされていない状態だった。それでもいつもは何人か居るのだが、今回は何故かどこにも見当たらない。

僕と君は、一番日当たりのよいベンチに腰を下ろした。


座ってすぐ、お日様が気持ちいいねって、君が言った。僕はお日様なんかより君ばかり気にしていて、上手く答えられなかった。うん、と返事とするだけで、沈黙が訪れる。


少ししか経っていないのかもしれないけれど、僕にとっては勿体無さ過ぎる時間だったので、僕は早々に本題に入った。


僕は君の事が好きです。


そう言うと君は笑顔で僕の方を向いて、私も、って言ってくれた。
嬉しかった。

嬉しすぎて泣きそうだった。そして何より、




これで、君は僕のモノ____。
そう思った。




だから、僕は君を誘拐した。
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