無口な上司の甘い罠
・・・流石にその言葉には、振り返らざるおえなかった。

「赤い顔しちゃって」

「してないし///」


「そんな可愛い顔してたら、ここで襲うけど?」

「?!」

隆盛の言葉に、更に顔は赤くなる。

・・・何を考えてるんだ、この男は?!

私は、何とか隆盛から離れようと試みるが、

隆盛は、離してくれない。



「お前って、何でそう、鈍感なのかね?」

「…鈍感じゃないわよ」


「いや、絶対に鈍感だ。人の気持ちなんて、全然考えてない」

「いつも考えてるわよ!周りにいる人たちの事くらい」


それなりに、空気だって読めるし、鈍感じゃない。


「オレが、今日子の事好きな事、全然知らないくせに」

「…今、なんて言った?」

…私の聞き違い?

…それとも、言葉の意味をはき違えてる?


「今日子と一緒に入社した時から、ずっと、好きだったんだよ。

でも、入社したての頃は、お前には彼氏いたし・・・

別れてからは、恋なんてお呼びじゃないみたいな態度取りやがって。

オレの気持ちも考えろって言うんだよ」
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