無口な上司の甘い罠
5、ライバルには勝てない⁈
「ほら、タオル」

部屋の中、タオルを渡された。

でも、何もする気になれなくてぼんやり。

「ったく」
それを見た隆盛は、タオルを取り上げると、私の頭を拭き始めた。

「…何があった?」

「…」

「…おい…指輪は?」

隆盛は、眉間にシワを寄せて、問いかけた。

「…取られた」

「…は⁈」

「あの女に…」

「どの女?」

「…峰子」

「…部長は⁈」

「…知らない」

「…手のかかる奴だな」

溜息をついた隆盛は、何処かに消えた。
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