無口な上司の甘い罠
「おい、いつまでオレを見つめてるつもりだ?」

「へ?」

その言葉の後に、パッと起き上がった宮本部長。

私は驚いて口をポカンとあけてしまった。


「宮本部長、何でこんな所にいるんですか?」

恐る恐る、尋ねてみる。


「…まずは、酔っ払いの誰かさんを、ここまで連れて来た礼が聞きたい」

そう言った宮本部長が…笑った。

しかもニヤッと・・・

その顔に、思わず顔が引きつる・・・


「あ・・・ありがとうございました」

何とかその言葉を口にする。


「…さっきの質問だが、昨日、タクシーの中で出た、男とは、

どういう関係だ?」


「男・・・ですか?」

聞き返すと、小さく頷いた。

…頑張って思い返すが、相当酔っていたので、

全く記憶がないのだ・・・。

よかったのか、悪かったのか・・・・。
< 38 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop