無口な上司の甘い罠
「私は誰とも付き合う気はありません」

「・・・なぜだ?」


「5年前にそう決めたんです」

「元カレのせいか?」


「…違うとは言いません・・・もし、もしもですよ?

誰かと付き合う事があっても、それは部長では絶対にありえないんです」


「…どういう意味だ」

「それは・・・」


元カレと似ているなんて言えるわけがない。


「まぁ、いい。オレは諦めるつもりはないから」

「ちょっ!」

・・・チュッと。

静かな部屋に、リップ音が響いた。

…まさかのキスに、目を丸くする。



「もう、他の男は目に入らなくなる」

そう言い捨てた部長は、部屋を出ていった。

…私は放心状態で、しばらくその場から動けなかった。
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