無口な上司の甘い罠
2.目覚めた恋心?!
…やっと動き出したのは、お昼過ぎ。

キスの事を忘れたくて、私は明いっぱい可愛い格好をして
(歳に似合わないけど)

ショッピングへと足を進めた。

…今日は天気も良く、風も程よく吹き、温かい。

出かけるには持って来いの日だった。


ショウウインドウにある服や靴を見ながら、どこの店に入ろうか

吟味していると、一人の男に声をかけられた。


「そこの可愛い子、オレと一緒にお茶しない?」

…今時お茶しないとか、古いナンパ文句だ。

そんな事を思いながら振り返った。


「私忙しいので・・・・」

振り返った私は目をパチクリさせる。


「会社とは全く別人だな、今日子」

そう言ってクスクスと笑っているのは、隆盛だった。


「…なんだ、隆盛だったの?」

「なんだとはなんだ?せっかくナンパしてやったのに」

「…あんたね」

呆れ顔で隆盛を見上げると、隆盛はニコッと笑って私に問いかけた。


「…で、今暇なんだろ?一緒にまわろう。一人より、2人の方が、

買い物も楽しいだろ?」

そう言ったかと思えば、私の手を取って、歩き出してしまった。
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