無口な上司の甘い罠
…無理、無理無理無理無理!!!

私は済んでの所で口に手を当てた。


…チュ。

・・・・・・・・・。


唇は阻止できたけれど、おでこにキスを落とした隆盛。

「…もうちょっとだったのにな」

そう言って少しふて腐れる。


「バカ隆盛!・・・き、きき、キスなんて出来るわけないじゃない」

…私は隆盛の事、友達だとしか思っていないから。


「何時になったら、オレと付き合うの?」

「?!…付き合いません」


「今夜はいい感じなデートだったのに?」

「…今日は、楽しかったけど、デートじゃないもの」


私の答えに、隆盛はうな垂れた。

・・・ちょっと言い過ぎたかな。

・・・でも、でも。

ここはしっかり自分の気持ちは伝えておかないと、変な誤解が生じる。


「・・・わかった」

「・・・え?」

「わかったよ。今夜は諦める。でもな、まだ今日子は諦めないからな」

そんな言葉を残し、隆盛は帰っていった。
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