無口な上司の甘い罠
「…さ、これから仕事だ、気持ちを切り替えろ」

「…え、ぁ・・・はい」

いつの間にか、取引先についていた。

深山から部長に変わったと言う事で、相手は上機嫌。

やはりまだ入って間もない深山では、すべてを任せるには忍びなかったようで。


「坂口さんのサポートしている姿はとても好評価ですがね。

やはり、深山さんでは頼りなかったんです、だから部長直々だと、

こちらとしても安心してお任せできます」


「そう言っていただけると私としても嬉しいですが、

私は何かと抜ける事もあると思いますので、担当はほぼ坂口になりそうですが、

大丈夫ですか?」

宮本部長の言葉に、取引先は笑顔で頷いた。


「ええ、もちろん大丈夫ですよ。坂口さんは、勤めて長いですよね?

営業としても、いい仕事をされる。だからこちらとしても嬉しいです。

宜しくお願いします」


「いえ、こちらこそ、間違いのないように、一生懸命務めます」

約1時間。

やっと取引先を出た。

・・・流石は宮本部長だ。どこの会社に行っても、好印象だ。
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