無口な上司の甘い罠
…朝。

目が覚めると、横には、宮本部長の寝顔。

…昨晩はうちに泊まった。・・・一緒にネタ。


ネタと言っても、男女の関係にはまだなっていない。

仮眠程度しか睡眠時間がなかった。

私の所に早く戻る為に、一週間かかる仕事を、ほぼ1日で終わらせ、

明日には、仕上げをして、帰ってくると言う事だった。


「部長…朝ですよ・・・飛行機間に合わなくなりますよ」

横で気持ちよさそうに眠る宮本部長を、優しく揺さぶる。


「・・・ん」

…これは、鼻血ものだ。

あまりに綺麗な顔に、思わず息を呑む。


「瀬名、朝だから起きて」

「?!」

なかなか起きない宮本部長。

下の名前で起こしてみたら、パチッと目を開けた。


「び、ビックリした・・・起きました?」

そう言って微笑む。


「もう一回言って」

「…エ?何をです?」

首を傾げる。…本当は分かっていた。

何を言ってほしいのか・・・でも、

正直なところ、起きてしまった部長に、名前なんて呼べない。

恥ずかしすぎて。
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