無口な上司の甘い罠

★素敵な恋日和

…きっと、一週間かかる仕事を二日で終わらせたのだ。

とても疲れているに違いない。

それなのにそんな顔一つ見せないで、一晩中私を愛してくれた瀬名に、

私はどうしようもないほどの愛が溢れた。


…チュ。


まだ気持ちよさそうに眠る瀬名を起こさないように、

私はそっとベッドから抜け出した。


シャワーを浴び、キッチンに向かった私はコーヒーを飲む。

それから、食事の用意を始めた。

昨晩、ご飯の事など忘れてしまう程愛し合ってた。


もう少ししたら起きるであろう瀬名は、お腹を空かせているに違いない。

だからと言って、あまり重たい食事を作る事も何なので、

胃に優しい食事を用意した。


「…ヒャッ…ビックリした」

最後の仕上げ。サラダの上に、切ったトマトを乗せようと、

包丁で切っているところだった。

そんな私の背後から突然手が伸びてきて、ギュッと抱きしめられたのだ。


・・・驚くのも無理はない。


「…ぉはよ、今日子」

そう言って私の耳にキスをした瀬名。

「ぉ・・・おはようございます」

赤くなった顔を見られまいと顔をそむけたまま呟いた。
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